HOME > ニュースレターNo.147 > P2-4 > P5
- 被災地からの入学 -
2年生 福島県いわき市出身 田中政人
「3月11日の震災の日から一年をふり返り、今」
3月11日、私は防犯パトロールの仕事で、福島の小さな駅前にいました。突然、携帯電話とテレビから警報信号音がなりました。するとその後、大きな揺れがあり、とっさに建物の外に出ました。全てが大きく揺れ、立っていることができない程でした。揺れがやや収まりテレビでは、津波がくることを伝えていました。駅前の人たちを安全な場所に誘導しましたが、突然の雪で寒くて震えている方もいました。ショックで、かえって地震のことを受け止めることができなくなって、しばらくは地震がなかったかのような会話をする人がほとんどでした。
幸い、津波は駅までは到達しませんでしたが、私の駐車場のほとんどの車が津波による水浸しでエンジンがかかりませんでした。しかし、私の車は室内に水も入らず、無事エンジンがかかり、その日のうちに帰宅できました。
少しずつ、震災の大きさが分かってきた頃、ニュースで原発事故の様子が放映されました。45km圏にいた私たちは現金も2千円、ガソリンも20リッターしかない中、自主避難しました。
今にして思うと震災直前、学院に体験入学していたことは主の導きでした。学院に避難する事を勧めてくれた同郷の学生がいたことも感謝です。
避難のため祈って、地図を見ていると茨城空港と国道345号線の文字だけが大きく目に飛び込んできました。それで福島空港ではなく茨城空港に向かいました。運転中、突然たくさんの鳥が目の前を横切りました。とっさにその方向を見ると、その先に私たちがいくべき道標が見えました。そこは山道だったので、もし、知らずに直進していたら、ガソリンもないまま道に迷う事になっていたでしょう。この道は分断や渋滞もなく限られたガソリンで空港までこれました。他のルートであったらこうはいかなかったようです。ちょうどその頃、福島空港は混乱していてチケットが思うように取れなかったようですが、茨城空港は私たちが移動したその日からキャンセル無料化にともないチケットが手に入りやすくなり、空港で一夜明かしただけで搭乗することができました。移動中、ガソリンや現金さえも神様の奇跡と導きで与えられ、あの混乱の中、学院に来ることができました。暖かく学院に迎え入れられ、今は主の働きのための学びを喜んでしています。イエス様に感謝します!
「正しい者には災いが多い。しかし、主はすべてその中から彼を助け出される」
詩篇34篇19節