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ニュースレターNo.147

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賛美礼拝に於ける実践的「霊的リーダーシップの原則」

アメリカ、ダラス市 ゲートウェイ教会、ワーシップパスター・副牧師
トーマス・ミラー師

皆さんに質問があります!

成功したミニストリーとはどんなものでしょうか?あなたにとって、何を意味しますか? 成功したミニストリーにはどんな特徴があるのか? どんな品性が求められるのでしょうか?みんなで意見を挙げてみましょう!  次に、良いミニストリーを奪うものとしてはどんなものがあるでしょうか?例えば、上に立っているリーダーシップから来るマイナスなことなどないでしょうか?権威主義や高慢、形式主義などがそうでしょうか?

「良いミニストリーと悪いミニストリーの特徴」
ミニストリーの良い点、うまくいっているミニストリーの特徴(+Positive)良いミニストリーを奪うもの、その特徴
(-Negative)
人々が幸せ People are happy権威主義 Authoritarianism
賛美があふれている Praise恐れ Fear
主の御心にかなっている Favor of God高慢 Pride
祈り合う Pray together批判・裁き Criticism/Judgment
平安(神との平和・人との平和) Peaceねたみ・競争心 Jealousy
真の礼拝者が立て上げられている True Worshippers壊れた人間関係 Broken relationship
弟子訓練がなされている Discipleship自己満足の奉仕 Self-centrism leadership
喜んで仕える Willingly Serving形式主義 Formalism

このチャートで、左側にあるような良い要素だけだったら、どうでしょうか?まるで天国ですか?では、右側のマイナス要素だけだったらどうでしょうか?!まるで地獄ですか(笑)?

そこで今日は、ミニストリーにおける良い、霊的な、成功するリーダーシップについてお話したいと思います。私たちの目標は、リストの左側にあるようなよい点を最大限に引き上げることと、右側のようなマイナス点を最小限にすることです。

私はゲートウェイチャーチが始まったばかりの頃から参加させていただいていますが、うまくできたこともありましたし、失敗したこともありました。今日は、みなさんが同じ失敗を繰り返さなくて良いために、私の失敗からもお話させていただいてもよろしいでしょうか?私はみなさんと一緒に学び、一緒に成長したいと思います。そして、より神様の願うような者になっていきたいと思います。それは私たちの奉仕の生活においても、一般の生活においても、です。まず始めに、私が今までミニストリーにおいて犯した最大の2つの間違いをお話したいと思います。みなさんにこの2つの間違いを分かち合わせてもらう理由は、ここから、ミニストリーにおける一番大切なことを学んでいただけると思うからです。

ミニストリーの初期の段階において犯した大きな間違いから学ぶ

ケース1

自分がリードしている讃美チームに、ほとんどすべてのことを間違って行っている人がいました。音楽技術には問題がありませんでしたが、問題はその人の心や態度や口から出てくる言葉でした。私は彼をオフィスに呼び、彼の間違いについて全部説明しました。そして、どうしてそれが間違いなのかを説明しました。彼の間違った態度の動機について語りました。しかし、私が語った内容は、神様から受けた啓示ではなく、実際はそうではないことを私自身の推測で話していたのです。

間違いその①

自分がリードしている人の最善を信じてあげることができなかった。ぜひ書き留めて下さい、みなさんがこの間違いを犯さないように。時には、一緒に仕えている人に対しても最善を信じてあげられないことがありました。また、私自身のリーダーシップの最善を自分が信じないということもありました。  ここに一つのリーダーシップの原則があります。ほとんどの場合、人は「正しいこと」を行いたいものです。しかし、この世に住んでいて、肉の内にあるので、時にはその人から出てくるものが、私たちが思い、願っていることとは違うことがあります。ですからリーダーは、周りの人の最善を信じてあげて下さい。それは、あなたがリードしている人、一緒に仕えている人、あなたの上に立てられている人、すべてに対してそのように信じることです。

間違いその②

その人の可能性を見ることができなかった。

ケース2

私は多くの場合、自分よりもずっと年下の人と働いています。ですから、その人はまだ人生を学んでいる最中であり、間違いも犯すし、変なことをすることもあります。そこで、私の責任は、彼らがキリストにあって何者であるかを、その可能性を見てあげることなのです。 あるとき、一緒にミニストリーで仕えている男性がいました。彼もすべてのことを間違ってしている感じでした。すでに、その人の最善を見てあげることはその時学んでいましたが、神様からその人に与えられた可能性を見てあげるというところまでは、私も学んでいませんでした。ですから私は彼をミニストリーから追い出して、一緒にもう仕えない、と決めました。確かに彼は態度が悪かったのです。良い心で仕えることに彼はとても苦しんでいました。私は彼の内にある、神様が与えた可能性を見ていませんでした。いよいよ彼を追い出そうという直前、神様が非常に大きく、はっきりとした声で語られました。「絶対に彼を追い出してはいけないよ。待ちなさい。彼はあなたのチームの中の最高の人になるから。」どうなったと思いますか?今日、彼は私のチームの最高のメンバーの中の一人なのです。それは、私が神様の声を聞くことができ、彼にある神様が与えた可能性を見ることができたからです。私は彼を追い出すのではなく、一緒に歩んでいく決心をしました。問題はちゃんと直視して取り扱い、それを克服することができるように、彼と共に歩んでいく決心をしました。 したがって、私がミニストリーにおいて犯した一番大きな二つの間違い、それは結局、私が他の人をどう見るか、ということにかかってくることでした。私がみなさんに教えることが出来るリーダーシップの原則があるとしたら、「他の人をどう見るか」ということです。その人の最悪を信じるのではなくて、最善を信じる。自分の肉の目で見るのではなく、神の目によってその人を見ること。神様が王様を探していたとき、神様はサムエルに「人はうわべを見るが神は心を見る」とおっしゃいました。それが私たちの目標であり、また、神様が見るように私たちも見るというのが私たちの責任なのです。本当に立派な、敬虔なリーダーになるためには、自分の肉の目ではなく、神の目によって人を見なければなりません。神様が言っておられることに信頼しなければなりません。

不安について

たとえば「恐れ」、「不安」というものがありますが、「不安」とはどう意味だと思いますか?誰かが緊張しているとか、不安であるとか、それはなぜそうなるのでしょうか?皆さんもミニストリーしている中で、不安になったり、何か心配になったりしたことはありませんか?他の人と一緒に仕えていて、恐れを感じたり、不安を感じたりしたことはないでしょうか。なぜだと思いますか?ミニストリーにおいて、何が「不安・心配・恐れ」を引き起こさせるのでしょうか?みなさんの声を聞かせてほしいと思います。
‐自分を良く見せようとする。
-評価されなかったらどうしよう。
-信頼関係が浅い、等。
ここで、皆さんに「不安」についての公式をご紹介しましょう。それは、「一つのもの」+「もう一つのもの」、「何か」+「別な何か」、です。具体例としては、「不安」=「恐れ(うまくできないかもしれない、という恐れ)」+「動機(正しいことをしたいという動機)」です。「恐れ」だけだったら、「不安」ではありませんね。「恐れ」そのものは「恐れ」でしかありませんが、「不安」には必ず、正しいことを行いたいという動機が伴っています。動機のない恐れは、単なる恐れです。正しいことを行いたいという動機に恐れがなければ、それは不安にはなりません。ですから「不安」というのは、正しいことを行いたいのだけれど、それを行うのが怖いという状態です。そこで、私たち霊的リーダーの役割として、一緒に仕えている人々の不安レベルを下げてあげることが求められます。霊的なリーダーとして、あなたと一緒に働いている人たちの不安レベルを下げてあげることが、あなたの大切な役割の一つなのです。安全な雰囲気をあなたが作ってあげることが出来れば、神様がその雰囲気を用いてご自身の栄光をより強く現してくださいます。ですから、不安は下げる、安全は上げるということです。「この人のそばにいて一緒にミニストリーをしたら、拒絶されない」という思いを人々に与えなければいけません。私たちの関わっていることは、大変重要なことですよね?非常に真剣なことです。しかし、あまりにも自分を真剣に受け止めすぎてもいけません。ここはまだ天国ではないのですから。神様は不完全な器である人間という者を用いて下さいます。そして、あなたと一緒にミニストリーを行っている人は、良い仕事をしたいのです。あなたがその人を励ませば、その人は潤います。ですから、不安レベルを下げるために、励ましほど役に立つものはありません。共にキリストに仕える中で、不安レベルを下げていけば人々は喜んで仕えるようになります。それまで、あったけれども用いられていなかった人々の賜物が用いられて行くようになります。「ここで一緒に仕えて行くことができる。素晴らしいところだよ」と励まし、「間違っても大丈夫だよ。一緒にいるチームが助けるからね。一緒に歩んでいきましょう。」と声をかけるようにすると、人々はハッピーになるし、会衆の中から讃美・礼拝者がだんだんおこされてきます。そして一致が強くなります。  私たちは、「恐れ」によってリードするのではなく、「信仰」と「安心感」からリードしなければなりません。皆さんが安心感を与えるリードをすることによって、人々が潤うことができます。私たちの働きはとても真剣な働きですが、自分自身について真剣になりすぎてはいけません。ゲートウェイの私たちも間違いはたくさん犯しますが、共に学び合っているなかです。ここで言っていることは、優れたものを求めなくて良いということではありません。神様は私たちに、与えられた賜物の良き管理者となりなさい、と教えています。だから、神様のためにベストを尽くすことは大切です。ですから、自分に与えられた役割を忠実に行いたいという思いはありますが、出来ない部分については、後は神様にゆだねます。自分にゆだねられた人々の安心感を引き上げて、不安レベルを下げるように努めて下さい。不安レベルを下げて、人々が安心感を持って仕える雰囲気を高めることがリーダーの仕事です。人々の側に立って励まし、その人たちがミニストリーに解き放たれて行くことができるようにしてあげるのがリーダーです。多くの場合、リーダーは恐れを持ってリードしています。その人自身が恐れに満ちているからです。自分自身の心に不安感があるから、恐れというところからリードしてしまいます。不安なリーダーほど、その導いている人を傷つける可能性がある人はいません。もちろん、どんな人にも少しは不安感があります。しかし「不安」というプラットフォームから人を導くとき、たくさんの間違いが起きてしまいます。神様は恵みの神様です。ですから私たちは神様の愛と恵みの中からリードしなければなりません。そしてそれを自分の働きの全ての領域に広げていくのです。目に見えない部分にも、です。

チームの関係作り

成功するミニストリーのために、次に私がお奨めしたいのは、「チームの関係作りをする」ということです。自分のチームの人たちとの関係を良くすることをしてください。もし人と、教会の礼拝での関係しかなければ、その人をよく知ることは難しいでしょう。一緒に人生を過ごす、一緒に祈る、一緒に遊ぶ。人生の良いときも悪いときも一緒に過ごす。この「人間関係」について少し話したいと思います。

人間関係の3つのこと

人間関係には3つのことがあります。幅、深さ、高さ、です。私たちの目標は、一緒に仕えている人々との人間関係のこれら3つの領域をより広く、深く、高いものにしていくことです。もしこれらがとても小さいならば、そこにある一致とはどれほどのものでしょうか?本当の一致はどのくらいあるでしょうか?人間関係のこれらの要素が小さければ、一致も非常に限られたものになるでしょう。詩篇133篇に「見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。・・・そこに神は祝福を命じる。」とあります。みなさん、あなたのミニストリーに対して神様に祝福を命じてほしいですか?そのためには、それだけ一致を求められますね?先ほどから見ているリストの良い点を伸ばして、マイナスな要素をなくすためには、私たちがどれぐらいこの人間関係を築き上げることができるか、ということにかかっています。この3つの領域を定義してみましょう。

1.幅

どのぐらい多くのことを話せるか?どれぐらいの幅で関わりがあるか?

2.深さ

どのぐらい深い愛情をあなたに対して持っているか。どのぐらい深く知り合っているか?

3.高さ

この関係は自分にとってどのぐらい価値がある関係なのか。この関係をどのぐらいの高さで私は評価しているか?

これら3つの領域を拡大することで一致が生まれます。まず第1に、人々の不安感を下げ、安心感を上げることによって、この領域を拡げることができます。第2には、チームの人間関係を築いていくことによって。私は、神様の祝福を私に対して神様に命じて欲しいのです。自分のミニストリーに対しても、神様の祝福を命じて欲しいのです。そして、私と一緒に働いている人々にも神様の祝福を命じて欲しいのです。私たちが主に従い、御言葉に従い、祈っていくこと、それはもちろん霊的なリーダーシップです。それが土台です。しかし、多くのリーダーはそこでストップしてしまいます。チームの中の不安感を下げる、ということを学びません。また、このような人間関係を築くことにあまり関心を払いません。霊的なリーダーと呼ばれる人たちで、むしろこうした人間関係を低くしておこうとする人をよく見てきました。遠く離れたところからリードしている。人々の尊敬を失わないように、距離を保ってリーダーシップをとる必要がある、とその人たちは言います。しかし、実際はその人は不安なのだと思います。よく知り合いになったら、自分に対する尊敬が失われてしまうのではないかと恐れているのだと思います。良い人生を歩んでいるのに、人と深く知り合ったら尊敬されなくなるのではないかと心配して、恐れているのだと思います。そういう罠にはいとも簡単に陥ってしまうものです。しかし「不安感」というプラットフォームからリードすることはないようにしましょう。私たちは「一致」、「安心感」というプラットフォームからリードしなければいけません。神様の恵みは私たちに注がれているのですから、その恵みの中からリードしなければなりません。 みなさんがミニストリーを始める初期の段階からこれらのことに注目するならば、長く続くミニストリーを展開することができるでしょう。

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